「打抜部門」作業の様子
「障害のある方は、一芸に優れていると思います。本人の特性に合った業務につけば、驚くほどの能力を発揮します。」――サンライズパッケージ株式会社工場長の言葉です。サンライズパッケージでは、知的障害のある方が4名勤務していますが、業務内容は「合紙(ごうし)」、「製函(せいかん)」、「貼箱(はりばこ)」、「打抜(うちぬき)」と四者四様です。障害のある方それぞれの特性に応じた業務分担に至るには決して短い時間ではなかったものの、現在では、他の方ではできないほどの作業効率で仕事を行っています。
現在、仙台市内6施設、山形2施設、岩手1施設の9箇所の障害者支援施設に対して毎月継続的に製品組立業務の委託を行っており、今後も継続していく方針です。現在雇用されている2名は、委託先の障害者支援施設からの採用となっています。受託している施設で、入社前から委託業務を行っていることから、入社後、サンライズパッケージの業務もスムーズに行うことができていました。委託業務の発注を契機に、会社が安心して業務を任せることのできる方を採用することで、福祉施設から一般就労への途を開いたといえます。
創業当時からの「障害のある方を特別扱いしない」という企業風土から、知的障害のある方を雇用する上で重要な「障害特性に合わせた業務分担」「きめ細やかな職場でのコミュニケーション」「明確でわかりやすい指示」が実行されています。
障害のある方の特性に合わせた業務分担を行い、各職務の職長との日常的なコミュニケーションから、障害のある方が話しやすい環境を構築し、何か問題があれば即座に対応するという体制をとっています。正しく業務を遂行できるよう各職長が丁寧に指導することも徹底されています。
このような取組みが、平均勤続年数19年という長期にわたる安定した就労を実現し、定年まで勤続できる職場環境を作り上げています。
障害者を特別扱いしない、差別しないという企業風土が醸成され、長期にわたり安定した雇用につながる職場環境が構築されている点は大変素晴らしい。また、障害者施設への業務の委託なども、参考となる取組みである。