縫製作業の様子
フジ・スタイリングでは、創業当時から障害のある方の雇用に積極的に取り組んでいます。一緒に働いている従業員が障害のある方に対して、ケースバイケースで対応しており、聴覚に障害のある方であれば、筆談やジェスチャーなど状況に応じて対応しています。
このような柔軟な対応が、勤続年数が40年近い長期にわたる雇用を実現しており、他の方では真似ることのできない技術を持った「職人」を生み出し、障害のある方が、縫製技術者としての役割をしっかり担っています。
以前は、工業用ミシン経験者のみに求人を限定しており、採用できる障害のある方の数も限定されていました。仙台市障害者就労支援センターへの相談をきっかけに、仕上げや納品等の新たな「業務を切り出す」ことで、身体・知的・精神など多様な障害のある方を雇用できるようになりました。縫製加工業務をこなすことができる方であれば、障害の有無に関わらず、雇用していく体制は今後も維持していく方針です。
採用にあたっては、プロフィール表等の資料について、工場長まで共有を図った上で面接・実習を行い、採用を判断しており、障害のある方の希望と能力に見合った業務分担とステップアップの過程が実現されています。
採用後も、フジ・スタイリング、就労支援センター等の支援機関、障害のある方の3者で、状況の共有を徹底し、必要に応じて産業医の指導も受けながら、職場環境等の改善を行っています。また、障害のある方が話しかけやすい職場環境を構築するために、日頃からチームリーダーが声がけするなど、細やかな配慮が実践されています。
こうした取組みによって、周りが支え、励ましながら、人材育成を行い、仕事をする喜びを共有できる職場環境が作られています。
障害特性・習熟度を十分に考慮した上での業務内容の設定、健常者と差異のない給与体系など、雇用継続に結びつく優れた取組みがなされている。新規雇用のための業務切り出しを行い、身体、知的、精神の多様な障害者の雇用を実現している点も、今後の障害者雇用の継続及び促進に非常に期待できる。