本人の適性を踏まえての職場配置
仙台ターミナル株式会社では、障害のある方の採用に際し、雇用前実習を行っています。障害のある方にとっても、採用前に仕事の内容や職場の様子を十分に理解してから判断できるのみならず、職場にとっても受入れの不安を払拭することができ、双方のベストマッチが実現しています。このため採用後も職場での十分な理解のもと、一人の仲間として生きいきと働くことが出来ています。また必要に応じ、本人の適性に合わせて業務を固定化することで、障害のある方が働きやすい職場を実現しています。
障害のある方の採用に際してのみならず、普段より仙台市障害者就労支援センターなど関係機関との連携を大切にしています。障害のある方一人ひとりの特性や状態に合わせた勤務時間など、アドバイスに沿って環境を適切に整えることで、無理のない就労が実現しています。また、問題が生じた際には、自社内のみで解決しようとせず、関係機関にすぐに相談することにより、問題が拡大する前に適切な対処をすることが可能となっています。更には定期的に関係機関を交えて振り返りを行うなど、深い継続的な連携が、障害のある方の安定した雇用の継続へとつながっています。
仙台駅 S-PALの店舗「ゆめの森」
「障害のある方の雇用拡大につなげたい。」――そんな思いから、市が主催する講演会などにおいて自社の経験を熱心に語りかけます。実際に雇用を行っている当事者の体験談には、他の事業者からも深い関心が寄せられています。
また、自社の運営するショッピングセンターの一角に、障害のある方の製作した授産製品の販売スペースを提供するなど、障害のある方への市民の理解啓発活動にも熱心に取り組んでいます。
⇒ゆめの森
雇用前の実習というのが一つの大きな特徴である。これにより障害のある方自身が、働くイメージを具体的に捉えられるのみならず、職場の方でも受入れに前向きになれる。大企業としてどのように障害者雇用に取り組んでいくか、そのモデルケースと言える事例である。