「障害のある方にも、長く安定して働いてほしい」――その言葉どおり、仙台交通株式会社における障害のある方の平均勤続年数は17年と、安定して働ける環境が整えられていることがうかがえます。障害のある方は駅舎・建物清掃や燃料給油・庶務業務などさまざまな業務についていますが、明るい雰囲気の中で熱心な仕事の指導を受けながら、お客様の感謝の言葉を糧として、皆が生きいきと働いています。
また障害のある方がしっかりと職業を選択できるよう、長年にわたり複数の特別支援学校から職場実習を受け入れてきました。現場実習からビルメンテナンスの課外授業まで、生きた職場体験ができるため、各校から高い評価を受けています。学校との協力関係は、卒業生への卒業後のサポートにもつながり、社員の就労意欲の維持に役立っています。
清掃に携わる皆さん
各職場には、障害者職業生活相談員の有資格者が班長として配置されています。現場では班長が中心となって業務の指導にあたるほか、必要に応じ業務外のことでも親身に相談に応じることで、深い信頼が生まれています。また各班の情報は月に一度の班長会議で共有されるため、連携のとれた対応に結びついています。
駅舎清掃風景
障害のある社員の家族との関係も大切にしています。平成18年からは毎年一回、「障害者就労意欲向上のつどい」と題し、有志の家族を招いて懇談会を実施しています。普段から顔の見える関係作りをすることで、ご家族の安心・信頼を得られて日常の連絡が容易となり、会社と家族の連携したサポートが可能となっています。これらの取組み全てが、長く安定した就労につながっています。
長年にわたる実習の受入れや、それが雇用に結びついていることから、一貫したサポートの体制が伺える。職場の班長が必ず相談員の資格を取るなど、会社として連携して取り組む姿勢のみならず、家族のつどいにより、会社と家族が一体となったサポートは賞賛できる。