段差を排除したトラストシティ店
株式会社高秀は、現在の社長の先代が戦後、視覚障害者を組織して派遣マッサージ業を開始したのが事業の始まりでした。そのような創業の経緯から、障害者の雇用は晴眼者の進出がすすむ今日のマッサージ業界の中においても変わることなく、「社是」として継承されています。長年にわたり視覚支援学校などから積極的に見学・実習を受入れ、実際の雇用に結びつけるなど、その長い障害者雇用の実績から、厚生労働省の障害者雇用優良企業にも認証されています。
視覚障害のある方が社員の過半数を占めるという環境から、店舗でのバリアフリー化が推進されています。仙台トラストシティ店では、視覚障害のある方がスムーズに移動や施術を行えるよう、入り口の段差が排除され、各施術室の入り口にはエンボス(突起)による案内が設置されているほか、各施術室の間取りも同じにするなど、きめ細かい配慮が行われています。
一方障害のないスタッフに対して、視覚に頼らないコミュニケーション方法の指導が徹底して行われるなど、目に見えない部分でも障害のある方の働きやすい環境が整備されています。
店舗には、障害者職業生活相談員の資格を有する職業コンサルタントが店長として配置されており、障害のある社員の業務上の相談のみならず、日々の生活に関しての相談にも進んで応じています。気軽に相談できる相手がいることで、障害のある方も安心して働ける環境が整えられています。
また、スタッフ同士のコミュニケーションも活発で、障害の有無に関わらず、マッサージの技術を互いに切磋琢磨しながら、意欲と向上心を持って働いています。
社是として、昔から一貫して地道に障害者雇用に取り組んできたことは素晴らしい。一見目立たない配慮の積み重ねが、障害のある方が働いて行く上で大きな安心につながっている。障害の有無に関わらず、一人前の仲間として受け入れている姿は、参考とすべき点が多い。